ごあいさつ

日本で最も長い歴史を持つ芸術大学である京都市立芸術大学の京都駅東地区移転を記念して、特別展「京都芸大〈はじめて〉物語」を開催します。
 明治13年(1880)の創立以来、150年近い歴史の中で、多くの教員や卒業生が芸術の分野で活躍してきました。この間にはさまざまな教育研究の試みや、特徴的な卒業生の輩出がありました。そうして生み出されてきた数々の〈はじめて〉を、芸術資料館所蔵品を中心とするさまざまな作品、資料により展覧し、本学の進取の精神を紹介します。
 〈はじめて〉に関する多彩なテーマからなる本展は、会期を4期に分け令和6年(2024)春から1年間にわたって開催します。第1期「カイセン始動ス!-京都市立絵画専門学校に集いし若き才能-」と第2期「「日本最初京都画学校」-京都御苑からの出発-」は明治・大正の動き、第3期「道を拓きしものたち-知られざる先駆者-」・第4期「Road to GEIDAI〈芸大〉-美術学部改革と新しい教育をめぐって-」では戦後まで含み、全体を通して本学の歴史と芸術資料館の主要なコレクションを一覧できる貴重な機会となるでしょう。 

明治13年(1880)に開校した本学の前身である京都府画学校は、その後改革を繰り返し、京都市立美術工芸学校(美工)として、美術工芸の中等教育を担うこととなります。明治36年(1903)に高度な専門教育を目指した専門学校令が発令され、また文部省による本格的な美術展である文展が明治40年(1907)より始まります。そのため美工の上級学校として京都市立絵画専門学校(絵専)が設置されました。美工からの進学者だけでなく既に実績のある若手画家も入学し、その卒業生は大正時代の日本画壇でめざましい活躍を見せることになります。
 第1期展では、彼らの卒業作品を展覧することで、革新のエネルギーに満ちた時代の空気を感じていただきたいと思います。
 最後になりましたが、本展覧会の開催にあたり、ご協力を賜りました関係各位に対し、深く感謝の意を表します。 

令和6年4月 主催者


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