芸術資料館の収蔵品は、来年140年を迎える本学の歴史の中で、様々な機会を得て集められてきました。それは本学にとって歴史の語り部ともいえます。
京都府画学校は明治13 年に絵画の学校として生まれ、やがて地域の産業と結びつきを強めながら、京都市立美術工芸学校へ組織の改編を重ねました。そこでは絵手本や標本など様々な教材が使用されました。これらは、鑑賞のために制作されたものではないため、公開の機会はまれでしたが、かつての教育の姿を浮かび上がらせる貴重な資料群です。今回は、その中から教育用掛図や標本類を中心に、関連する参考品とともに展示します。
本展覧会は、令和元年度文化庁地域の博物館を中核としたクラスター形成事業として行う、《「京都・大学ミュージアム連携+」による「京都の伝統 Tradition of KYOTO」発信プロジェクト》のひとつでもあります。9月期を中心に京都市内7カ所の大学博物館が京都の伝統へのアプローチを共通のテーマとする展覧会を開催しています。歴史都市京都という地で、伝統というものをどのように理解し守り伝えてきたのか、他館の展示と併せてご覧いただき、考える契機としていただければ喜ばしく思います。
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