ごあいさつ

 

   芸術資料館の収蔵品は,135年を超す本学の歴史の中で,様々な機会を得て集められてきました。それはこの学校にとって歴史の語り部ともいえます。
 本展は,新収蔵品の展示です。平成29年度に新たに収蔵された34件の資料(寄付等30件、卒業作品4件)より、その一部を紹介いたします。今回は、主に絵画・染織・漆工の分野に新しい資料を加えることができました。
 染織の分野では、本学の前身絵画専門学校の卒業生でもあり、京都の型絵染に大きな足跡を遺した伊砂利彦の作品を、漆芸の分野では、京蒔絵の伝統技法を受け継いだ北村春正の作品をご寄付いただきました。
 絵画では、洋画と日本画の寄付を受けました。洋画では、戦前の渡欧画家であり、本学の教員を務めた高林和作の作品。日本画では絵画専門学校の卒業生で、美術工芸学校の教員を務めた森守明による襖絵と、本学の卒業生でパンリアル美術協会で活躍した下村良之介の壁画、さらに京都府画学校の出仕を任じられた内海吉堂の扇面貼交屏風など大画面作品が並びます。恒例となります本学版画研究室の小品集も併せてご覧ください。
 つくられた時代も場所も越えて当館に集った多彩な作品群をお楽しみください。また、ご寄贈いただきました方々には、重ねて厚くお礼を申し上げます。

2018年5月 主催者


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