ごあいさつ

 芸術資料館の収蔵品は、130年を超す本学の歴史の中で、様々な機会を得て集められてきました。それはこの学校にとって歴史の語り部でもあります。
 今回の展示では、本館の模本コレクションの中から中国画を原本とする作品を紹介します。
 京都府画学校開校の際、東宗、南宗、北宗といった日本絵画の教育の中で模写は行われました。以後、本学の教育において模写は重要な役割を担いました。当初は筆の使い方を学ぶ運筆をはじめ、手本を見ながら描く臨写という方法がよく行われましたが、やがて模本を通して古名画の参考品から学習することが定着すると、上げ写しによる精緻な模本も制作されるようになりました。
 展示する作品は、原本または良質の模本から制作されたものと思われ、日本画のみならず東洋画もその研究対象となったことがうかがえます。入江波光や林司馬など、本学ゆかりの画家たちが展開する多彩な模写の世界をお楽しみください。
 これらの資料が、展覧会を観覧された皆さんの新たな発見のお手伝いとなることを願っています。皆様どうぞごゆっくりご観覧ください。

2015年5月 主催者


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