鈴木百年絵画資料
すずきひゃくねんかいがしりょう
旧蔵者不詳。巷間に出たものを購入した。幕末から明治期にかけて大きな勢力を見せた鈴木派の祖鈴木百年に関する資料である。収蔵当初資料の大半が断片であったため、資料中の既存の台紙に合わせて新たに台紙を作成し、画題別に貼り込んだ。現状52枚の台紙貼り込み資料を中心に、6点の自筆資料と1点の《内国絵画共進会銀賞賞状》を加えた57点からなり、この中には書簡などの文書資料5点が含まれる。鈴木百年(1828〜1891)の略歴は次のとおり。京都に生まれる。字は世寿。父図書の後を継ぎ、天文学で土御門家に仕えた。父に漢学と絵の手ほどきを受け、その後諸家を折衷して一家をなした。『平安人物志』に早くから名を連ね、穏健な画風で幅広い画題をこなした。安政2年(1855)竣工の内裏造営障壁画制作、慶応3年(1867)准后御殿障屏画制作に参加。明治11年(1878)京都府博覧会で受賞。明治13年(1880)京都府画学校出仕拝命、北宗の副教員となるがまもなく辞任する。同15年(1882)第1回内国絵画共進会で銅印、同17年(1884)同第2回で銀章を受賞。明治20年(1887)皇居造営に際し杉戸及び天井画制作に参加。東京で病没した。
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