ごあいさつ

 

 

 本年は,本学が明治13年(1880)7月1日に京都府画学校として開校してから140周年の記念の年にあたります。本展では,本学の歴史の中でも特に京都市立絵画専門学校時代に焦点を当て展示します。
 明治42年(1909)4月1日,京都市立美術工芸学校(以降美工)の上級学校として京都市立絵画専門学校(以下絵専)が創立しました。これにより美工絵画科の卒業生たちは,さらに高等な絵画教育を受けられるようになりました。同44年(1911)には第1回卒業式が執り行われ,近代日本美術を代表する画家となる村上華岳や土田麦僊,小野竹喬らを輩出しました。また国内外の博覧会へ学生作品を出品し,学生の官展入選者増加を果たすなど教育活動の成果が充実していきました。
 しかし,絵専も戦争の影響で充分な教育活動が行えなくなり,終戦直前の昭和20年(1945)4月1日,京都市立美術専門学校(以下美専)と改称し男女共学制になりました。戦争期にその時代を終えた絵専でしたが,その後の美専や京都市立美術大学に教育活動は受け継がれ専攻科も増えていきました。本展では,当館に遺された第1回から終戦前最後の卒業作品まで8点を展示し,また校舎に設置された門標やステンドグラス,校章,卒業制作品図録などの資料を通して,絵専36年の歴史をふり返ります。


2020年6月 主催者


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