芸術資料館の収蔵品は,来年140年を迎える本学の歴史の中で,様々な機会を得て集められてきました。それは本学にとって歴史の語り部ともいえます。
本展では,平成30年度に新たに収蔵された14件の資料(寄付等11件,卒業作品3件)より、その一部を紹介いたします。今回は、主に絵画・染織・漆工・陶磁の分野に新しい資料を加えることができました。染織の分野では、京都の伝統産業である西陣織の生産に関わる資料を、漆工の分野では、近世以来行楽の場で活躍した弁当箱のコレクションを、さらに、本学の前身美術大学で教員をつとめた陶芸家藤本能道、洋画家黒田重太郎、今井憲一や、絵画専門学校で教員をつとめた日本画家西山翠嶂、池田遙邨の作品など、京都の近代美術に関わる小品の寄付を受けました。また、京都府画学校の教員であった田村宗立の家に伝えられた京都六角堂能満院工房の粉本が寄付されたことも、既存資料を補って意義があります。恒例となります本学版画研究室の小品集も併せてご覧ください。
つくられた時代も場所も越えて当館に集った多彩な作品群をお楽しみください。また、ご寄付いただきました方々には、重ねて厚くお礼を申し上げます。
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