ごあいさつ

 

  芸術資料館の収蔵品は,135年を超す本学の歴史の中で,様々な機会を得て集められてきました。それはこの学校にとって歴史の語り部ともいえます。
 本展では,「東アジア文化都市2017京都」の開催を記念し,当館の収蔵品の中から京都・中国・韓国にちなんだ作品を展示します。「東アジア文化都市」とは,日本・中国・韓国の3か国において,文化芸術による発展を目指す都市を選定し,その都市において,現代の芸術文化や伝統文化,また多彩な生活文化に関連する様々な文化芸術イベント等を実施するものです。これにより、東アジア域内の相互理解・連帯感の形成を促進するとともに,東アジアの多様な文化の国際発信力の強化を図ることを目指しています。
 本学の歴史をさかのぼれば,京都の伝統をふまえることはもちろんのこと,中国・韓国の文化や芸術も教育に取り入れられ,制作に反映されてきました。日本画の学生や卒業生を中心に中韓の古画の模写が行われ,また絵画・図案の題材として中韓の風物や人々が描かれました。古画の研究や東アジアを題材にするこれらの動きは,近代の新しい表現を模索する過程で見られたもので,当時の東アジアに対する理解や共感がうかがえます。
 学生たちが見て学び,そしてその成果として結実した作品を通して,京都・中国・韓国の文化の競演/饗宴をお楽しみください。

2017年9月 主催者


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