ごあいさつ

  芸術資料館の収蔵品は、135年を超す本学の歴史の中で、様々な機会を得て集められてきました。それはこの学校にとって歴史の語り部でもあります。
 本展では、平成27年度に新収蔵した,本学ゆかりの作家による作品・資料の中から,当館で初公開となるものを紹介します。平成27年度は,34件1,119点を新たに収蔵しました。これらの詳細は当館のホームページで検索することができます。
 今回のテーマは「覧古考新」(古い事柄を顧みて,新しい問題を考察すること)です。数多くの古画の模写を行い本学で教鞭を執った宮本道夫(1949~)や,近代の水墨画の伝統を継承し書にも精通した山本六郎(1937~2012),戦後に日本画の革新を目指して結成されたパンリアル美術協会に参加した野村 耕(1927~1991)らを中心に,日本画・版画・素描など約40点を展示しています。ある作家は日本美術の伝統に正面から向き合い,またある作家は時代の変化に応じて革新的な表現を求め,それぞれの制作に励みました。
 制作に対する作家の真摯な姿勢をも感じさせるこれらの資料が、展覧会を観覧された皆さんの新たな発見のお手伝いとなることを願っています。皆様どうぞごゆっくりご観覧ください。

2016年4月 主催者


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