ごあいさつ

  芸術資料館の収蔵品は、130年を超す本学の歴史の中で、様々な機会を得て集められてきました。それはこの学校にとって歴史の語り部でもあります。
 今回の展示では、本館の収蔵品の中から、京都市立美術大学に陳列館が開館した時期に収集された資料を中心に展示します。この陳列館というのは、昭和37年に今熊野校地に竣工した博物館類似施設で、1階が収蔵庫、2階が展示室となっていました。この建築によって、それまで多くの卒業作品や模本資料を収蔵しながら、公開するための場がなかったジレンマから解放されることになりました。
 陳列館は附属図書館が管理し、施設を得て博物館業務を開始することになりました。また、大学での学芸員養成課程設置にともない、博物館実習を行う施設ともなりました。展示と収蔵の機能が確保され、学内の環境は大きく変化し、以後教員や卒業生からの寄付が急速に増加します。現在の近代美術コレクションの基礎が形成されることになり、さまざまな作品、資料が寄せられ、資料の多様化が進みました。
 この展示が、展覧会を観覧された皆さんの新たな発見のお手伝いとなることを願っています。皆様どうぞごゆっくりご観覧ください。

2015年10月 主催者


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