ごあいさつ
 本年度第3回の収蔵品展は、当館文書室の開室を記念した、素描や粉本、文書類の展示です。
 当館は、粉本とよばれる下絵類や、画家たちの素描・書簡など多くの文書資料を所蔵しています。一昨年、これらを文書室と名付けた一室に集中保管した結果、整理と活用の両面で利便性が向上しました。そこでさらに整備を進め、今年5月より申請のあった資料閲覧者に対する施設公開も開始しました。これを機会に、当館の文書資料群の概要をご理解いただけるように、前期と後期の二回に分けてその主要なものから紹介したいと考えました。当館が、文書資料群のみを概観的に紹介するのは、初めての試みです。
 これら資料の大部分は画家に関するものです。伝統を継承し、自身を凝視し、創造を追及し、人と交わるといった、画家たちの日常の記録であり、作品鑑賞とはまた異なる絵画世界へ案内してくれるものと考えています。作者の創作の背景にあるさまざまな物語を想像してお楽しみください。
 皆様どうぞごゆっくりご観覧ください。
2013年9月
主催者


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