ごあいさつ
 京都府画学校が,仮校舎により京都御苑内で産声をあげたのは明治13年7月1日のことでした。日本絵画の教育を主たる目的として設置された最初の公立学校です。今年はその開校から130年を迎えます。
 本学は,中京区にある京都市立銅駝美術工芸高等学校とともにその歴史を共有しており,両校の教育の源流にこの学校を頂いています。
 とはいえ,この画学校については,時間の経過の中で失われた記録も多く,成立についても,実態についても不明なところがあります。その影響もあってか,現在では画学校に対する認識に正確さを欠く場合があるようです。
 今回,この画学校の開校130年を記念し,その教育に焦点をあてて,収蔵品展を企画しました。画学校の全体像をさぐるものとはいえませんが,そこで行われた明治中期の絵画教育のありさまについて,雰囲気を感じ取っていただけるのではないかと考えています。展示している画学校の絵手本は,大半が今回初めて一般に公開するものです。
 会期中に展示替えを行います。通期で御覧頂きますと,理解を深めていただけるものと考えています。ギャラリートークでは,会場の解説板を補足いたしますので,併せてご利用ください。
 この展示が,遙か130年前の画学生の生活へ思いを馳せる契機となれば幸いです。
2010年4月
京都市立芸術大学芸術資料館


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