吉川　観方

よしかわ　かんぽう

明治27年（1894）〜昭和54年（1979）

京都に生まれる。本名賢次郎。6歳で岡阪鉄山に書を，7歳で西堀刀水に四条派を学ぶ。大正3年（1914），京都市立絵画専門学校予科に入学。同じ頃，江馬務主宰の風俗研究会に参加，同5年（1916）に江馬が『風俗研究』を創刊してからは，同誌のために古画の模写や挿絵を担当する。同7年（1918），絵画専門学校を卒業後，松竹合名会社に入社し舞台意匠顧問となる。同12年（1923）には松竹映画会社と契約，衣笠貞之助監督『大阪夏の陣』『忠臣蔵』などの美術や衣装を手がける。同年，故実研究会を創立し，時代風俗に扮した人物の写生会や観方の蒐集品の陳列会，有職研究家による講演会などを開催した。同43年（1968），第1回京都市文化功労賞を受賞。

(C)京都市立芸術大学芸術資料館