周 荃
しゅう せん
中国清時代
長洲(江蘇省)に生まれる。字は静香といい,花溪老人と号した。書に巧みで,山水を描くには倪瓚・董其昌を宗とした。李麟(1558~1635+)はその絵を賞して,荊浩・関同と比べて見れば少し潤いがあり,董源・巨然と比べればわずかに枯れた味わいがあって,古人の束縛にとらわれないとした。密かに道釈の尊像を作れば,深く古法を得ており,また,花鳥虫魚を描いてもその要所を得ていた。其の自題句は特に優れて,書法に生気が見られる。清兵が江南に下る際,案内役を果たした功績により,開封の知府となったため,齋楚観察の印を使用している。順治13年(1656)の款記のある《倣北苑山水図》がある。
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