野々村 仁清
ののむら にんせい
江戸時代前期(17世紀)
丹波国桑田郡野々村(現京都府南丹市美山町)に生まれる。通称を清右衛門といい、はじめ丹波焼の陶工であったと考えられる。その後、瀬戸に修行し、正保4年(1647)ころ京都仁和寺の門前に開窯し御室焼を始めた。茶匠金森宗和の知遇を得て,その指導のもと茶器をつくった。弟子尾形乾山の『陶工必用』によれば、仁清という呼称は、仁和寺の「仁」と清右衛門の「清」の字をあわせたもので、御室焼の印銘に用いたという。播磨大掾の受領号があり、宗和没後は落飾した。轆轤の技術に優れたほか、≪色絵雉香炉≫のような彫塑的な作品にも才能を見せ、金銀彩を交えた華麗な色絵を施すことで知られる。
(C)京都市立芸術大学芸術資料館