六角堂能満院仏画粉本 |
ろっかくどうのうまんいんぶつがふんぽん |
頂法寺能満院に所蔵された仏画粉本。粉本とは絵画制作に関わる下絵や模本の総称で、本資料は、二つの絵本箪笥に分類収納された状態で伝えられている。その大半は、律僧大願とその弟子大成らが収集制作した白描図像で、これに版本を加えた総数は、2600点を超す。 元治元年(1864)の兵火により、かなりの部分が焼失したといわれるが、如来・菩薩・明王・天龍星宿といった仏典の諸尊をはじめ、垂迹神や民俗神の図像をも網羅的に集めており、膨大な高僧像群とともに、図像の博物館としての貴重なコレクションを形成している。一割を版本が占めるのは、開版事業に携わった能満院の性格を伝えるものといえる。 大願の弟子のひとり田村宗立が、これらを託されていたが、宗立が京都府画学校の教員であった縁により、その没後遺族から絵画専門学校に寄付されたのは、大正8年(1919)である。 |
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