森川 杜園
もりかわ とえん
文政3年(1820)〜明治27年(1894)
現在の奈良県大和郡山市に生まれる。幼名を友吉と称し,幼い頃から絵画や彫刻に才能を見せた。天保7年(1836)に奈良奉行梶野良材から「杜園(かつらその)」という号が与えられた。漆芸家柴田是眞の勧めにより奈良人形師になる決心をし,天保11年(1840)人形師として独立,奈良彫り人形を芸術品に高めた。明治8年(1875)に東大寺で開かれた第一回奈良博覧会,明治10年(1877)に東京で開かれた第一回内国勧業博覧会など国内の博覧会の他,明治26年(1893)に米国シカゴで開かれた万国博覧会にも出品して,好評を博した。古彫刻の模作にも長じ,町田久成に認められて正倉院宝物の模造にも従事した。
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