黄 鼎
こう てい
順治7年(1650)~雍征8年(1730)
中国清代の画家。常熟(現江蘇省蘇州市)に生まれる。字は尊古といい,号を曠亭,また閑圃,独往客とした。晩年は浄垢老人と号している。丘園に師事し,山水を善く描いた。古人の臨模をして驚くほど真に迫り,特に王蒙(c.1308-1385)の画法に優れたものがあった。後に王原祁(1642-1715)に学び,その画風を一変させ,王翬(1632-1717)の筆意も得たという。婁東派の画家の一人とされ,筆墨は枯れた味わいがあってしかも力強く,画品は逸を超すと評された。生来遊覧を好み,至るところの奇勝を訪れてはその有様を描き,前人の粉本に見られない山水を描いた。
(C)京都市立芸術大学芸術資料館